万年筆

一生物の相棒は、こうして生まれた|カスタム槐と私の書く時間

皆様どうも、きほーてです。

今回は、私にとって「一番の相棒」とも呼べる万年筆、
パイロット・カスタム槐について書いてみようと思います。

単なるレビューではなく、
この万年筆と出会ってから、
私の「書く」という時間がどう変わっていったのか。
その内側の変化を、少し掘り下げてみます。


原点は、木軸だった

私の文房具好きの原点は、実は万年筆ではありません。
木軸のボールペンやシャープペンシル――
あの、手に触れたときの“木の温かさ”がすべての始まりでした。

知り合いに勧められて初めて木軸を触ったとき、
ひんやりしないその感触と、静かな高級感に一瞬で惹きつけられました。

そこから私は、
木軸の筆記具を少しずつ集めるようになります。


「一生物の相棒になる」と思えた瞬間

しばらくして、
「万年筆もいいよ」
そんな言葉をかけられ、探し始めた中で出会ったのが
パイロットの《カスタム槐》でした。

近くに実物を置いている店はなく、ネットで注文。
届いた箱を開け、初めて姿を見たとき、
私は不思議な“確信めいた感覚”を覚えました。

「ああ、これは一生物の相棒になるな」

まだ一文字も書いていないのに、
なぜかそう思えたのです。


日本語を書くための万年筆

実際に手に取ると、少しだけ重さを感じました。
そして、何よりも見た目に完全に惚れました。

今でこそ私は
「バイカラーニブが好きだ」と断言できますが、
その原点は、きっとこのカスタム槐だったのだと思います。

初めて文字を書いたとき、
私は直感的にこう感じました。

「これは、日本語を書くのにとても向いている万年筆だ」

滑りすぎず、止まりすぎず。
線が、きちんと“日本語の形”として
紙の上に残っていく感覚。

その印象は、今でも変わっていません。


気づけば“私好み”になっていた

それから、長い年月が経ちました。

私は何本もの万年筆を使い、試し、迷い、
「今メインで使っている4本」という記事を書くほどになりました。

その中でも、
「一番、このペンで書きたい」と
自然に思えるのが、今でもこのカスタム槐なのです。

面白いのは、
この万年筆を“育てよう”と
意識したことは一度もない、という点です。

調整に出したわけでもなく、
癖を変えようと努力したわけでもない。
ただ、日常の中で、当たり前のように使っていただけ。

それなのに、気が付いたら――
「どんどん、私好みの書き味になっていた」

この感覚が、
カスタム槐を“道具”から“相棒”に変えたのだと思います。


ほんの少しの抵抗感が、心地いい

今の私にとって、
「私好みの書き味」とはこういうものです。

ゆっくり、落ち着いて、
日本語を綺麗に書けること。

実は私は、
基本的に“抵抗感のある万年筆”があまり好きではありません。
引っかかる感覚は、思考を止めてしまうからです。

けれど、カスタム槐だけは違います。

他の万年筆よりも、ほんの少しだけ抵抗感がある。
その“わずかさ”が、
私に「急がなくていいよ」と語りかけてくるようなのです。

その抵抗があるからこそ、

  • 一文字一文字を、丁寧に置ける

  • 勢いで書き流さず、言葉と向き合える

  • 日本語の“かたち”を、ちゃんと意識できる

結果として、
「ゆっくり、落ち着いて、綺麗に書く」という
私の理想に、最も近い書き心地になりました。


相棒とは何か

思えば私は、
ずっと“うまく書こう”としてきました。

字をきれいに。
無駄なく。
効率よく。

でも、カスタム槐と過ごす時間は、
そうした力みを、少しずつほどいてくれました。

急がなくていい。
完璧じゃなくていい。
ただ、今の自分の言葉を書けばいい。

この万年筆は、
そんな姿勢を、静かに教えてくれた気がします。

相棒とは、
「一番高価なもの」でも
「一番有名なもの」でもありません。

気が付いたら、
いつもそこにいて、
迷ったときに、自然と手が伸びる存在。

カスタム槐は、
私にとって、まさにそんな一本です。

それでは今回はこの辺で~