皆様どうも、きほーてです。
今回は、パイロットの万年筆「エリート95S」をレビューしていきたいと思います。私自身、普段から複数の万年筆を使い分けていますが、このエリート95Sは購入してから生活に欠かせない一本になりつつあります。今回は実際に使った印象を、特徴や他のモデルとの比較も交えてまとめてみました。これから購入を考えている方にとって、少しでも参考になれば嬉しいです。
1. エリート95Sとはどんな万年筆か
エリート95Sは、パイロットが創立95周年を記念して発売したモデルで、1960年代に人気を博した「エリートS」の流れを受け継ぐ復刻版です。最大の特徴は「ショートサイズ」。収納時はわずか119mmほどと非常にコンパクトで、胸ポケットや小さなペンケースにすっと収まります。しかし、キャップを尻軸にポストすると全長147mmになり、一般的な万年筆と変わらないサイズ感で快適に書けるのです。この「変化するスタイル」こそ、エリート95Sの真骨頂と言えます。
さらに、14金のインロー式ペン先を搭載しており、単なる携帯用万年筆に留まらず「本格的な書き味」を楽しめるのも魅力です。価格帯は2万円前後で、国産金ペンの中では比較的手に取りやすい部類。カートリッジとコンバーターの両用式で、使い勝手の良さも兼ね備えています。
2. 開封してまず感じた第一印象
私が購入したのは黒と金の通常モデル、EFニブ(極細字)です。ネット通販で新品を購入しました。届いて箱を開けた瞬間、まず「小さい!軽い!」と驚きました。普段使っているカスタム74や823と比べると、まるで別物のようなサイズ感です。しかしキャップを後ろにポストすると一気に“普通の万年筆サイズ”になり、「あ、これならちゃんと書ける」と安心しました。この二面性が第一印象として非常に面白かったです。
3. EFニブの書き味と使い心地
EFニブながら、実際に紙に書いてみると国産万年筆のFニブ程度の太さが出ました。他の国産万年筆の極細に比べるとやや太めですが、日本語を書くには十分な細さです。手帳や小さなノートにも使いやすい太さだと感じました。
書き味は、他のパイロットの万年筆(カスタム74、カスタム槐、カスタム823など)と比べると少し抵抗感が強めです。ただ、プラチナ万年筆の3776センチュリーほど抵抗感があるわけではなく、あくまでも抵抗感を「感じる」程度のものです。この抵抗感は、使い込んでいくうちに変化していく可能性があり、長期的に「育てていく楽しみ」も感じさせてくれます。
4. 使用シーン:外でこそ本領発揮
この万年筆の真価は外で使ったときに発揮されます。仕事場や外出時など、なるべく荷物を減らしたいときに「エリート95S一本あれば大丈夫」と思えるのです。実際、私は外出時はこの万年筆一本だけを持ち歩くことが多くなりました。その流れで家でも自然と使う頻度が増えており、生活全体で出番が多い一本になっています。
「小さく軽い=持ち運びやすい」という単純な理由ですが、それが生活習慣にまで影響を与えているのが面白いところです。
5. メリットとして感じる点
私が感じる最大のメリットは、やはり「デザインの格好良さ」と「機動力の高さ」です。黒と金の定番カラーは王道感があり、シンプルで飽きが来ません。ペン先の形状も一般的な万年筆とは違うインロー式で、見た目にも個性があります。
書き心地に違和感はなく、日常使用において困ることはほとんどありません。小さく軽いという特徴がそのまま携帯性に直結しており、「これ一本で十分」と思わせてくれる安心感があります。悪い点を探そうとしても、なかなか思いつかないほど満足度の高い万年筆です。
6. デメリットとして感じる点
唯一気になるのは、コンバーターの容量が少なすぎる点です。CON-40ではインクがすぐに切れてしまうため、私は純正カートリッジを再利用してインクを入れ替えて使っています。携帯性を優先した設計なので仕方ない部分ではありますが、長時間の筆記や出張時にはインク切れの不安があります。
また、軸が細めなので、手が大きい人や重量感のあるペンを好む人には少し物足りないかもしれません。ただし、私自身は細身・軽量ゆえに疲れにくいと感じており、むしろメリットと捉えています。
7. 他モデルとの比較
同価格帯で比較対象になるのは、パイロットの「カスタム74」、そしてセーラーの「プロフェッショナルギア スリム」です。
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カスタム74は、オーソドックスなサイズ感と安定した書き味で、オールラウンダーな金ペン。長時間の筆記や毎日使う一本として安心感があります。
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プロフェッショナルギア スリムは、セーラーらしいしっかりとした書き味と高級感あるデザインが魅力。細身ながら存在感のある万年筆です。
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これらと比べると、エリート95Sは「携帯性」という一点で群を抜いています。外で使う機会が多い人にとっては、この特長だけで選ぶ価値があると言えるでしょう。
8. 「機動力の高さ」は正義
私がエリート95Sを使っていて一番強く感じるのは、「機動力の高さこそ正義」だということです。小さく軽いことで、ポケットに入れても邪魔にならず、どこへでも持ち歩ける。しかも書き心地は他の金ペンに劣らず、十分に満足できます。
重い万年筆は、それを持ち歩くだけで体力を消耗し、カバンのスペースを圧迫します。しかしエリート95Sはその心配がありません。この一本で生活をまかなえると感じるのは、私にとって非常に大きな価値です。物を増やしがちな性格の私でも「これ一本あれば大丈夫」と思わせてくれるのです。
まとめ:少ないもので生活したい人へ
エリート95Sは、「小さくて軽い」ことに価値を見出せる人にとって最高の相棒です。携帯性が高く、書き心地もしっかりしているため、外でも家でも自然と使いたくなる一本です。少ないもので暮らしたい、シンプルな生活を志向している人にとって、この万年筆はまさに理想的な選択肢になるでしょう。
一度使ってしまうと、もうこれなしでは生活できない――それが、私のエリート95Sに対する正直な気持ちです。
それでは今回はこの辺で~